小さな口元からキラリと覗く、綺麗に並んだ真っ白な歯。
子どもたちが見せる眩しい笑顔には、私たち大人もつい頬を緩めます。
まさに“綺麗な歯は生まれ持った宝物”ですよね。
ところが今、その宝物に深刻な問題が起こり始めていることを、
皆様はご存知でしょうか?
現在、私たちの周りでは、こうした“歯に関する悩み”を持つ子どもたちが
急増しているのです。
歯に関する問題は、現代における子どもたちの生活習慣、
とりわけ“食生活”と深い関わりがあり、
そのような子どもたちにはある共通点が存在します。
パン、ハンバーグ、スパゲッティ…
主食が柔らかいもの中心に移行した食生活の変化は、子どもたちから“噛む”という行為を減少させました。
それによって、子どもたちの顎は次第に噛む力が弱まり、結果としてモデルのようにスマートでシャープな印象を与える、細い顎の子どもたちが増えていったのです。
子どもの歯並びを悪くする原因は、
何も食生活の変化によるものだけではありません。
爪を噛む
指しゃぶり
口呼吸
歯ぎしり
舌を出す
唇を噛む、巻き込む
頬杖、寝癖
こうした癖は“口腔習癖”と呼ばれ、子どもの歯並びや顎の成長に悪影響を与えます。
そのため、お子様に上記のような癖が見られる場合は、できるだけお子様自身で意識的に止められるようなサポート体制をとってあげましょう。
その際に大切なのは、「どうしてだめなのか?」という理由をきちんと伝えることです。
もし、家庭内の取り組みだけでは中々効果がみられない場合は、お気軽に矯正医までご相談ください。
未発達な細い顎のままだと、永久歯を支える土台が充分に形成されず、
歯並びの悪化や噛み合わせの不具合を招きます。
子どもの時期にそうした症状が危惧される理由として、
当然審美的な面も上げられますが、それ以上に重要なのは、
虫歯や歯周病になりやすい。
舌の位置がずれるため発音がしにくい。
顎や肩に必要以上の負担が掛かって姿勢が悪くなり、肩こりや頭痛を招く。
歯並びの悪さがコンプレックスになり、何事にも消極的になる。
もし、お子様にこうした症状が見受けられる場合は、
できるだけ早い段階での
問題解決に取り組んであげてください。
小児矯正を開始すべきタイミングは、歯並びの状態によって異なります。早い段階での治療を要する症例の場合は4歳~6歳くらい、その他の場合は6~10歳くらいまでと幅がありますので、まずは矯正医にご相談ください。
歯並びの問題は、子どもの一生を左右するといっても過言ではありません。小児矯正を通し「子どもの口腔ケアは親の役目」ということを、今一度心に留めていただけたら幸いです。
第1段階/0期治療
(約4歳~6歳)
乳歯と永久歯が
混じっている子ども
歯並びを悪くしてしまうお口の癖をトレーニングを行い治していきます。
第2段階/1期治療
(約6歳~12歳)
永久歯が生え揃う前の子ども
(幼児・小学生)
取り外し可能な装置を使用して乳歯から永久歯への正常な生え変わりと、顎の成長や発育を促す治療が行われます。
子どもの矯正は、必ずしも上記の段階を踏むケースばかりではありません。矯正を開始する年齢や口腔内の状態によっては、第二段階から治療を始めることもありますので、矯正医とよく相談して最も適した治療方法を選ぶようにしましょう。
初めての矯正では、わからない点や不安な点があって当然です。それが子どもに関わることとなれば、なおさらですよね。
ここでは、小児矯正でよく寄せられる質問をQ&A方式でいくつかまとめてみました。
事前に目を通し、参考にしてみてください。
はい、ご安心ください。
矯正装置には様々な種類があり、セラミック製で透明に近いものや、歯の色に近づけた白色の装置も用意されています。
患者様の口腔状態や症状、使う装置によって治療期間は変わりますが、平均すると治療期間は2年~、通院は月に1~2回くらいです。また、治療が終わった後にも定期検診で経過を観察します。
治療開始直後には、歯の動きに伴う痛みがあるかもしれませんが、慣れることで自然に解消していきます。
矯正治療中は歯を1本1本磨いていく要領で、特に装置との境目を重点的にブラッシングしてください。
装置をつけた口内は入り組んでいるため、磨き残しが起こりやすくなっています。
まず、矯正前に虫歯が見つかった場合は、虫歯の治療を優先させます。
しかし、矯正中に虫歯になった場合は、一度装置を外して虫歯の治療をする必要があるため、矯正期間が長引いてしまいます。普段から丁寧な歯磨きで虫歯予防に努めましょう。