せっかく歯列矯正治療で歯を正しい位置に整えたのに、治療後に後戻りしてしまうことはゼロではありません。そこで、矯正装置撤去後のアフターケアた重要になります。なぜ後戻りを起こしてしまうのか、後戻りを予防する方法などをご紹介したいと思います。
■なぜ後戻りしてしまうのか
歯が正しい位置に整い矯正装置を外したとはいえ、実はまだ歯の根っこ周辺の組織や顎の骨はその位置で定着していません。とても不安定な状態なため、繋ぎとめるものが無くなると、歯が元の位置に戻ろうとする力が働き、正しい位置から動いてしまいます。
■そこで「保定装置(リテーナー)」を使用します
保定装置とは、取り外し可能なストッパーのような役割を持つ装置です。最初の1~2年は食事と歯磨き以外装着したままで過ごしていただきます。装置自体は歯に圧力をかけることはありませんので、痛みもありませんし、違和感もすぐに慣れてしまいます。その後は就寝中のみ装着するといったように、装着時間も減っていきます。
この保定装置を歯科医師の指示通りに使っていれば、後戻りを予防することができます。
■それでも後戻りしてしまう人がいます
歯列矯正後、さまざまな要素によって後戻りしやすい人がいます。よくある事例をいくつかご紹介します。
〇リテーナーを外している時間が長い
取り外しができる装置であるが故に起こりやすい事例です。違和感に慣れる前に取り外している時間が長いと、少しの歯の動きですぐに入らなくなったり、バネの窮屈感から入れなくなってしまう方います。そうするとさらに歯が動いてしまいます。
〇口の悪習癖がある
もともと舌で歯を押したり、上下の歯列から出したりする癖がある方や、静常時に口で自然な呼吸をしてしまう方など。口周辺の機能が歯並びに影響を及ぼす可能性のある癖がある場合には、無駄な圧力がかかってしまい後戻りしやすくなります。
〇親知らずが非正常に生えてきた
現代人は親知らずが正常に生えてくることが難しく、20歳を過ぎてから生えてくる人が多い歯です。横や斜めに生えてきて手前の第二大臼歯を押してしまい、その圧力でだんだん前の歯が重なってしまうことがあります。
親知らずの向きが正常であれば抜歯の必要はありませんが、矯正治療後に生えた場合には抜歯が必要になることがあります。
■まとめ
歯並びを整えた後にの適切なアフターケアを怠ると、後戻りを起こすことがあります。後戻りを予防するためには、定期検診でメンテナンスを受けつつ、日常生活上のセルフケアもルールを守って継続していただくことが大切です。